長谷川崇准教授が、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が公募した「2025 年度創発的研究支援事業」に採択されました。研究課題詳細については以下のとおりです。
【研究課題名】
世界最強磁石になる鉄コバルトの潜在力を最大限に引き出す物質設計と実験的実証
【研究提案者】
長谷川崇(大学院理工学研究科 准教授)
【研究構想の要旨】
永久磁石の主要な役割はモーターにあります。モーターは「電気⇔動力」の変換を担う重要な機器で、エアコン、冷蔵庫、エレベーター、電気自動車、発電機等に使用され、我が国の消費電力の約5割を占めています。モーターの性能は永久磁石の強さに概ね比例するので、強力な磁石の開発は省エネに役立ちます。
本研究では、鉄とコバルト(FeCo)を主成分とする超強力磁石材を開発します。現在最も普及している強力磁石はレアアース元素を含むネオジム磁石です。この磁石は室温で世界最強の磁力をもちますが、高温では磁力がぐっと低下してしまいます。そのような中で、FeCo の原子の並び方(結晶構造)を bct と呼ばれる特殊な構造にすると、理論上は、磁石性能限界値がネオジム磁石の倍近くになる上、高温でも磁力が低下しづらくなります。またFeCo はレアアースを含有しませんので、理想的な強力磁石になれる潜在力を有します。しかし、そのような強力な磁力を帯びる FeCo は、まだ理論上の産物なので、本研究では、FeCoに対して第三元素を添加したり熱処理条件を工夫したりするなどして、bct 構造の実験的な安定化に挑戦します。それによって、これまでにない超高性能な永久磁石の開発につなげ、モーターの高性能化、ひいては省エネに貢献します。

