本学科の機能デバイス物理コースで学ぶ女子学生と関連コース先輩の女子学生、女性教員による座談会を行いました。ちょうどハロウィンということもあり、おやつ時にスイーツをいただきながら和やかな雰囲気もと、参加者の経験や日頃感じていることをお話ししました。
参加者:
Mさん(M)(総合環境理工学部 環境数物科学科 機能デバイス物理コース 1年生)
泉さん(Iz) (理工学部 電気電子工学コース 4年生)
髙田さん(T)(理工学部 電気電子工学コース 4年生)
Iさん(I) (理工学部 電気電子工学コース 4年生)
武藤さん(Mu)(理工学部 材料理工学コース 4年生)
細木先生(H)(総合環境理工学部 環境数物科学科 機能デバイス物理コース 教員)
自己紹介と理系進学のきっかけ
H まずは自己紹介から始めましょう。私は機能デバイス物理コースの細木藍と申します。昨年4月に赴任し、光ファイバーを用いたセンサー関連の研究を行っています。どうぞよろしくお願いします。
Mu 材料理工学コース4年の武藤です。紫外線を可視光に変換する物質や、太陽電池に関する研究を行っています。
Iz 電気電子工学コース4年の泉です。福田・西平研究室に所属し、超音波を用いて物体の欠陥を検出する研究に取り組んでいます。
I 電気電子工学コース4年のIです。淀川研究室で、セルロースナノファイバーという材料を対象に、近赤外光分光による損傷評価を行っています。
T 同じく電気電子工学コース4年の髙田です。菊池研究室で、ハードディスクにデータを保存する際の磁性粒子に関する研究を行っています。
M 機能デバイス物理コース1年のMです。現在は講義中心の生活です。よろしくお願いします。


H ありがとうございます。それでは順に、理系を志したきっかけを教えてください。
M 小学生のころから算数や数学が好きで、高校で物理を学んだときにさらに興味が深まり、理系に進むことを決めました。
H 高校では、理系・文系の選択はどのタイミングで行うのですか?
M 2年生のときに物理コースを選びました。父も理系の仕事をしていたので、自然な流れで進学を決めたように思います。女子は120人中10人ほどで、少数派でしたね。
Mu 私も家族が理系でした。中学時代の自由研究がとても楽しかったことがきっかけで、理系への進学を意識しました。大学入学時は応用化学コースを志望していましたが、興味が変わり、材料理工を選びました。
Iz 私は吹奏楽をしていたのですが、「電子化された楽器で演奏できたら面白い」と思い、仕組みを知るために理系を選びました。高校2年で物理を選択し、本格的に理系に進むことを決めました。
I 理科が好きで国語が苦手だったため、自然と理系へ進みました。高校では科学技術科に進学し、そのまま理系大学へ進む道を選びました。
T 私は数学が得意で、社会が苦手だったので迷わず理系を選びました。
H 皆さん、それぞれに「理系らしい」きっかけがありますね。


入学後のギャップと発見
H 大学に入って感じたギャップや新しい発見はありますか?
M 高校では微分積分を使わずに物理を学んでいましたが、大学では数学的なアプローチが増え、新しい発見がありました。
Iz 理系でも国語力が必要だと感じました。文章の論理構成や読解力が、証明や考察を書く際に役立つと実感しています。高校時代に現代文をしっかり読んでおいてよかったと思います。
I 実験レポートを書くたびに国語力の重要性を感じます。毎週レポートがあるので、文章力が本当に鍛えられますね。
Mu 材料理工もレポートが多いです。すべて手書きで、思った以上に大変です。
H 理系といっても、文章力や表現力が必要なのですね。女子学生の割合はいかがですか?
M 思ったよりも女子が多く、安心しました。ただ、物理コースを希望する女子は少ないので少し不安もあります。
Iz 入試のときは女子が自分ひとりだったので驚きましたが、入学後は意外と多くて安心しました。
Mu 1年生のときは女子が多かったのですが、学年が上がるにつれて化学系に進む人が多く、物理・電気系はやはり少なくなりますね。
T, I 女子が少ないことには特に違和感はありません。
キャンパスライフと人間関係
H 友人関係についてはいかがですか?
M 女子が少ない分、自然と仲が深まります。少人数なので、すぐに打ち解けることができました。
Mu 私の学年はコロナ禍でオンライン授業からのスタートでしたが、少人数だからこそ絆が強まりました。
Iz 男子学生ともよく話します。考え方の違いが刺激になり、良い学びになりますね。
T 学食などで自然に友人が増えます。コースが違ってもつながりがあります。
I 私は一人で過ごすことが多いですが、それも気楽で好きです。
H それぞれのペースで、性別を問わず良い関係を築いているのですね。


授業・研究の楽しさと苦労
H 授業や研究で、楽しいことや大変なことはありますか?
M 実験がとても楽しいです。レポート作成は大変ですが、実験そのものはわくわくします。
Mu 先生方が専門分野の実例を交えて授業してくださるのが魅力です。高校の頃よりも、学びの意味や将来のつながりを実感できます。
Iz 授業の内容が回を追うごとに繋がっていくのが面白いです。初回で出てきたテーマが最終回で「伏線回収」されるような感覚があります。
T ゼミ発表の準備が大変です。スライド作成にはかなり時間をかけています。
I 実験と資料作りの両立が大変ですね。こたつ机しかない自室では集中できず、学内で作業することが多いです。
理系女子としての強み
H 理系女子として、進学して良かったと感じることはありますか?
M 人数が少ない分、先生や先輩に覚えてもらいやすいです。話しかけてもらうきっかけにもなります。
Iz 就職活動では「電気電子系の女子」というだけで注目されることが多く、需要の高さを感じました。理系女子はまだ少ない分、強みになると思います。
T 私も就職活動では有利に感じました。
Mu 男子が多い環境で最初は不安もありましたが、話すうちにすぐ慣れました。一人暮らしで知らない環境に飛び込んだことで、コミュニケーション力が鍛えられたと思います。
H 確かに、秋田大学の学生は男女問わず穏やかで優しい印象がありますね。


将来の目標と進路
H 将来の進路について教えてください。
M まだ具体的ではありませんが、研究や開発など、自分が楽しめる仕事に就きたいと考えています。
Iz 最初は開発職を希望していましたが、学びを通じて現場寄りの職種にも興味を持つようになりました。柔軟に考えられるようになったのが大きな収穫です。
T 大学院に進むつもりでしたが、研究が自分には合わないと感じ、就職に切り替えました。研究以外にも理系の力を活かせる仕事は多いと実感しています。
I 自動車部品メーカーに就職します。高校時代から自動車に興味があったので、希望に近い進路が選べました。
Mu 私はエネルギー関連の開発職を目指しています。企業で研究開発に携わりたいと考えています。
高校生へのメッセージ
H 最後に、進路を考えている高校生にメッセージをお願いします。
Mu 理系か文系かで迷っているなら、理系を選ぶのがおすすめです。女子が少ないなどの不安もあるかもしれませんが、意外とどうにかなります。
M 文系から理系に進むのは難しいですが、その逆は比較的スムーズです。迷っているなら、理系を選ぶ方が後悔は少ないと思います。
Iz 男女比を気にしすぎず、自分の興味を大切にしてください。不安なのはお互い様です。気負わず挑戦してほしいです。
I 理系は将来の選択肢が広く、さまざまな分野に進むことができます。ぜひチャレンジしてみてください。
T 工学系・理系の学びはとても魅力的です。自信を持って飛び込んでみてください。


