機能デバイス物理コース

機能デバイス物理コースの概要

IoT社会の促進・水素など新エネルギーの利用・新たな医療技術などの実現には、高性能な情報機器・高感度なガス検知センサ・医療器具を支える材料が不可欠です。

これらの技術では、電子の動きを制御するために金属・半導体・磁性体・誘電体が、光を制御するために発光体や液晶などの多様な素材が使われています。また、これらの素材を用いて目的の機能を実現するためには、物理の原理・法則に基づいて電子機器(デバイス)の設計が重要となります。

このコースでは、磁気・電気・波動(光)・原子など、物理法則に基づいて素材・電子機器(デバイス)を研究する下記の4つの分野があります。素材の性質や使い方の基本を学び、新たな機能を実現するための新素材を探索し、素材を活用した電子や光の制御手法に基づく電子機器(デバイス)の設計、そしてそれら素材や電子機器(デバイス)を評価する手法の開発を目指しています。素材と電子の融合により新しい価値を創成し、持続可能な社会に貢献します。

未来のテクノロジーを支える素材やデバイスに興味がある人にぴったりのコースです。

学びと育成

素材や方式の知見のみならずプログラミング技能も身につけることでハードウェアとソフトウェアの両方の知識を兼ね備えた、そして数理科学・地球環境学コースとの連携によるデータサイエンスやAIや物理の理論の知識も兼ね備えた、近未来の社会を牽引する人材を育成します。

特徴のある4つの研究分野

機能デバイス物理コースには4つの特徴的な研究分野があります。4つの研究分野のそれぞれにおいて材料と電子の融合による新しい機能を付加したテクノロジーの創成を目指しています。

1. 磁性材料とその応用

磁気センサーや磁気記録装置(ハードディスクドライブ)の飛躍的な性能向上、ナノ磁性材料の機能デバイス応用、複数元素を組み合わせ多様な性質を持つ金属と結晶ともアモルファスとも異なり並進対称性は持たない準結晶を研究しています。

2. エコマテリアルの環境問題・エネルギー問題への応用

全ての紫外線を可視光線に変換するエコマテリアルを活用した光電池の効率向上、水素社会の実現に向けた水素漏洩モニタリングシステムの研究を行っています。

3.  光と電磁波エレクトロニクス・発光物質(シンチレータ)

メカニカルフリーレンズ、液晶ディスプレイ、光ファイバセンサなど光信号デバイスと電子デバイスの光電融合、および、放射線を吸収して蛍光発光する発光物質を研究しています。光エレクトロニクスは電子工学と光学を融合する学問です。

4. 医療エレクトロニクス

磁性ナノ粒子材料のがん細胞を非侵襲的に加温死滅させる治療法(磁性流体ハイパーサーミア)への応用、メカニカルフリー液晶レンズを活用したスマートグラス、超音波診断(エコー検査)の研究を行っています。

吉村 哲 先生による研究内容紹介

こちらをご覧ください。

研究者インタビュー

強磁性と強誘電性を併せ持つ薄膜で実現する、新しい高性能磁気デバイス (吉村 哲教授)

系統的なルールを見出しながら、新しい金属材料を探る (肖 英紀准教授)

当コースの教員が夢ナビに出演しています

夢ナビミニ講義(原子をだまして新物質をつくる!世界最強磁石の開発:長谷川崇准教授)

エレクトロニクス系コース紹介

学生によるコース紹介です。こちらをご覧ください。

エレクトロニクスの教育研究

細木 藍 先生によるミニミニ講義『IoTを支える光ファイバーセンサー』

こちらをご覧ください

研究者インタビュー

進化を続ける液晶ディスプレイ (山口 瑠美子 教授)